卒業生へ贈る、恩師の武具で仕立てた筆入れ。

卒業生へ贈る、恩師の武具で仕立てた筆入れ。

ちくま剣道育成会(長野県・千曲市)では、4月に卒業生を送る会が行われ、10名の生徒さんがこの教室をご卒業されました。

 

その際に贈る記念品として、講師である坂口先生(剣道教士七段)より、リメイクのご依頼を承りました。それは先生の袴と胴着で仕立てる名前入りの特別な筆入れでした。

初めての試みも、保護者のみなさまは思い出になると喜んで賛同くださったそうです。

 

きっかけは、「着ていない袴はどうしているの。リメイクはどう」という友人の一言でした。眠らせている武具はたくさんある。それも武州正藍染の貴重なもの。加えて生徒と剣を交え、汗を流したものであることに意義がありました。

 

何に仕立てるかは、すぐに決まりました。

剣道で体を鍛えながらも勉学にも励んでほしい“文武両道”の思いから筆入れにしました。またそこには、前へ前へ進むことで“勝ち虫”とされるトンボの刺繍も添えられました。

 

 

 

「この先、苦しいことや辛いときはこれを見て、これまでの稽古を思い出して勇気を出してほしい。何かあっても原点に戻るんだよ。」

これは坂口先生の師の教えである「直心じきしん」を意味します。要約すると直心とは、「生まれたままの赤ちゃんのような素直な心」のことで、子どもたちが友を大切にし、未来に向かって立派な人になってほしいとの願いが込められています。

 

坂口先生からは「思いをカタチにして、生徒へ残せ嬉しい。それにすごくかっよいいね。」と感謝の言葉をいただきました。

また生徒さんは「先生、グー!」と親指をみせ大喜び。「大切に使わせていただきます」と話してくださったそうです。

 

きっと思い出に残る素敵な会になったのでしょうね。

卒業生のみなさん、おめでとうございました。そして、ちくま剣道育成会のみなさま、素敵なリメイクをありがとうございました。

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